彦市   » 人類生存の危機 » 4.危機回避への挑戦

1.予備的知識

(1)人間の視野は狭い

人間の視野 空間=時間グラフ

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人々の視野は空間的にも時間的にも異なるが、すべての人間の関心は,上掲の空間=時間グラフのどこかにあてはまるはずである。

大多数の人々の関心は,家族や友人に対する短期的なことがらに限られている。(左下隅)

ごく少数の人々だけが、遠い未来に広がる全世界的な関心を抱いている。(右上隅)

従って、長期的問題である軍拡競争、環境悪化、人口爆発、ならびに経済停滞などを理解し、その解決策を求めることに積極的に関心を払っているのは、世界の人口のごく一部の人々にしかすぎない。

(2)人口爆発と技術革新

ホモサピエンスとよばれる種が地球上に生存するようになって10万年、文明をつくり上げてからは1万年になる。

世界人口は、せいぜい300年の間に、その数は急激に増加した。

そしてここ数世紀のあいだに起きた、蒸気機関車から民主主義、あるいはコンピュータから企業にいたるまでの、めざましい技術的・制度的革新によって、人類経済は明白な自然の限界、もしくは管理上の限界を超えて成長を続けることが可能になった。

とくにこの数十年のあいだに、徐々に進化を遂げる産業文化の影響で、人びとの心のなかには果てしなく続く成長への期待が植えつけられた。

従って、成長には限界があるということを想像することすらできない人も多い。

私達の社会は、技術の力や自由市場の仕組みに深い信念を抱いており、限界などありえないと決め込む傾向をもっている。

技術を次から次へと新しくすれば、限界を超えかけている特定の資源を累積的に消費することなく、実質的な生産量を限りなく増大させることは可能かもしれない。

多くの学者や指導的立場の人がこのような考え方であるので、「成長の限界」と言う言葉は、政治の場では口にすることができず、経済の世界では考えることすらできないのである。

2.なぜ警告が受け入れられないのでしょうか

(1) 資本主義社会では、経済成長が必須条件であるから

    資本家は利益獲得競争をして、商品での付加価値や貸付金の利鞘を求める。

    ところが、社会が安定して物資が行き渡ると購買力が停滞する。

    そして、格差が拡大すると、生活困窮者には購買力が無い。

    余剰資金が金融商品取引に向けられてバブル経済となり、いずれ破たんする。   (2) 急速な技術変化に政策が対応できないから

   大量生産・大量消費の時代となって、資源の消費量が急激に増加している。

   その結果、資源の枯渇や環境汚染が激しくなっても、抑制政策実行が追いつかない。

(3) 科学技術の進化は、後戻りが難しいから

   従って、新たな問題が生じると、科学技術で解決を試みる。

   そして、科学者が、社会的責任を感じて提言しても、政治家や財界人には取り上げてもらえない。

   また、人為的に合成した物質は、自然界でのリサイクルが不可能となり、廃棄物が蓄積して問題を起こす。

3.持続可能な社会システムに転換するには

(1) 為政者が地球上の制約(資源量と許容人口)を知ること。

   人間活動を無限に(自由な経済成長)展開することは不可能です。

(2) 地球上では、すべての自然現象や生物の存在が繋がっている。

   気象条件を含めて、地球全体が1つの閉システムであり、この制約から抜け出せない。

(3) 世界全体が協調しなければ実現できない。
   国家間で違いがあっては、エゴが働いて、努力した効果が打ち消される。

   戦争や主義・主張での対立があっては、資源の枯渇を早める。

4.理想の文明(新たな社会システム)へ向けての行動

(1) 個人では、「地球を汚さない」努力を積み重ねる。

   使い捨てを止め、食品のロスを減らし、エネルギーを節約し、ゴミを減らす。

(2) 個人では、地域社会に協力する。

   困った人を助け、人間関係を改善し、共同化により、資源の節約ができる。

(3) 個人では、選挙に必ず参加する。

   民主主義の意義を理解して、民意が正しく反映する政治体制にする。

(4) インターネットを活用して、世界中の人が、情報を共有できる社会とする。
   これにより、国際的な規則や方針の伝達・実行が可能となる。

(5) 国は、コンピューター管理で、公平な税金・保険金徴収を図り、不心得者を減らす。

   この結果で、国民からの信頼が強まる。

(6) 国は、人材の育成方法を改善する。

   個人の能力に応じた助成をして、無駄な給付金を減らし、有能な若者を海外に派遣する。

5.理想的な文明社会(持続可能な社会)とは

(1) 競争ではなく、協力を基本としたネットワーク社会。

(2) 枯渇する資源は、分かち合う精神で、消費量制限に協力する。

(3) 能力に応じた地位が与えられ、収入に応じた社会負担を受け入れる。

(4) 弱者や生活困窮者に対するフォロー体制を充実して、誰もが安心して生きられる社会とする。

(5) 国家という組織で国民を保護する代わりに、愛国心を自覚させる教育をする。

[引用資料]

別掲 6-8 地球上のすべてはつながっている

別掲 6-9 限界を超えたというシグナルヘの3通りの対応

別掲 6-10 持続可能性革命の必要性

別掲 6-18 なぜ技術と市場だけでは行き過ぎを回避できないか

別掲 6-24 既存の社会システムの終焉は避けられないようだ

別掲 6-25 新地球文明への移行


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初版日時: 2017-03-06 (月) 08:57:24
最終更新: 2018-04-13 (金) 18:50:11 (JST) (22d) by hikoichi