彦市   » 依佐美送信所(改訂7版) » アンテナ回路の整合

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上図は、逆L字アンテナの簡略した等価回路です。(設置時および複調式アンテナ)

周波数を f としますと、2 π f L = XL , 1 / ( 2 π f C ) = XC として、XL = XC の条件が成り立つ状態が「整合状態」です。

ここで、L はアンテナ線の自己インダクタンスとローディングコイルのインダクタンス、及びその他のコイルのインダクタンスの合計値です。

C はアンテナ線とアース電極間の分布キャパシタンスの合計値です。

特定周波数において、コイル分Lのリアクタンスとコンデンサ分Cのリアクタンスが等しくなるとアンテナ回路が共振状態になります。

この状態では、コイル成分である L と、コンデンサ成分である C との間で、1波長毎に+側とー側の2回の「エネルギーのキャッチボール」をしています。

アンテナ素子の末端では電圧が極限値に達して飽和したエネルギーが電磁波となって空中に放射されます。

この現象が、「定在波」と呼ばれる状態であり、共振状態に保つことを「アンテナ回路の同調(チューニング)」と呼ばれています。

ここで、T1 はアンテナ回路への出力結合トランスであり、空芯コイルで構成されています。

 T2 は信号注入の結合トランスであり、これも空芯コイルで構成されています。

いずれも鉄芯を使用できないので、相互インダクタンシによる磁気結合です。

次に、fo = 17,442 Hz で アンテナ回路が整合する条件試算してみます。

 

A。設置時

アンテナ回路のインダクタンス Lw = 270 μH , Cw = 0.054 μF , ローディングコイルのインダクタンス L6 = 1.20 mH , その他のインダクタンス Ls = 20 μH、注入コイルの1次インダクタンス T2 = 121 μH

L = Lw + L5 + L6 + Ls + T2 = 271 + 50 + 1,080 + 20 + 121 = 1,542 μH

XL = 2πfo x L = 2 x 3.14 x 17,442 x 1,542 x 10 -6 = 169 Ω

XC = 1 / ( 2πfo x Cw ) = 1 / ( 2 x 3.14 x 17,442 x 0.054 x 10 -6 ) = 1 / ( 5.91 x 10 -3 ) = 169 Ω

XL = XC となって、同調状態です。

Cw の値は、実測が不可能であり、理論的な推算では誤差が生じます。

そこで、報告書の記録にある 0.054 μF を採用しています。

 

D。改造時(複調式)

アンテナ線の中央部に節が生じて、1 / 2 波長のアンテナとなりました。

1 / 4 波長の部分について計算するには C の値と L の値を半分にします。

Lw = 390 μH , Cw = 0.06μF , L5 = 850 μH, L6 = 1.59 mH, L7 = 2.58 mH, Ls = 20 μH, T2 = 121 μH

図の左側 1/4 波長の同調については

L-1 = (Lw / 2) + L5 + L6 + L7 + Ls + T2 = (390 / 2) + 850 + 1,590 + 20 + 121 = 2,776 μH

XL = 2πfo x L / 2 = 2 x 3.14 x 17,442 x 2,776 x 10 -6 = 304Ω

XC-1 = 1 / ( 2πfo x Cw / 2 ) = 1 / ( 2 x 3.14 x 17,442 x (0.06 /2) x 10 -6 ) = 1 / ( 3.285 x 10 -3 ) = 304 Ω

XL-1 = XC-1 となって、同調状態です。

図の右側 1/4 波長の同調については

L-2 = (Lw / 2) + L7 = (390 / 2) + 2,580 = 2,775 μH = 304Ω

C-2 = C-1 = 304 Ω

XL-2 = XC-2 となって、同調状態です。

Cw の値は報告書の記録にある 0.06 μF を採用しています。



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初版日時: 2019-01-15 (火) 19:58:36
最終更新: 2019-01-15 (火) 19:58:36 (JST) (7d) by hikoichi