彦市   » 依佐美送信所(改訂5版) » 高周波発電機の原理と構造

下の3枚の写真は、高周波発電機の外観(上)、電動機側のカバーを外した状態(中)、回転子の外観(下)です。

回転子の直径が 1,870 mm 、幅が 1,100 mm 、重量が 21.2 ton です。

固定子の外径が約 3,000 mm 、発電機の総重量が約 38 ton です。

回転子の突極は256個あり、A 列とB 列に分割されています。

これに対応して、固定子の磁極が配置されており、A 列と B 列にそれぞれ256の電磁石が取り付けられています。

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下図は原理を説明するもので、断面を示しています。

誘導子型発電機であり、一般に高周波発電機で採用される形式です。

回転子は円筒状であり、表面の突極部全体は強磁性体(珪素鋼)であり、固定子の中央部に配置された励磁コイルリングによって、回転子全体が電磁石となります。

回転子の突極は、等間隔で256個あって、電磁石のs極とN極に対応してA列とB列に分かれています。

固定子の内面にも同数の磁極が対応して配置されています。

そして、回転子の突極と固定子の磁極とのすきまを 1 mm と狭くしてあるので、A 列と B 列のそれぞれ対応する磁極を通して全体をカバーする磁気回路が形成されます。

固定子の中央部に配置された励磁コイルリングには、励磁機直流220Vが供給されており、回転子を間接的に励磁しています。

また、固定子の磁極には A 列と B 列分けて、それぞれに電機子コイルが直列に巻かれています。

高出力を出すために、電磁石の横幅を広く設計されていますし、電機子コイルも高電流に耐える帯銅線として、かんざし状に結線されています。

この状態で、回転子が回転すると、電磁石を通る磁力線が変化するので、電機子コイルに起電力が発生します。

A 列、B 列それぞれが、隣接する磁極とのピッチ間隔の半分が突極幅となっていますので、誘起電圧の波形がサイン曲線に類似したものになります。

この為、各磁極のコイルで発生する誘起電圧が加算されて、電機子コイルの終端にはそれぞれ 810 V の高周波電圧が誘起します。

この出力電圧を直列に接続すると、無負荷では 1,620 V の高周波電圧となります。

 

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上図に於いて、極数は A 列、B 列共に 256 個であり、発電周波数は、

f = P x ( N / 60 ) = 256 x ( 1,360 / 60 ) = 5,803 Hz

規定回転数 fo = 5,814 Hz とするには、N = 1,362.6 rpm で運転すればよい。

 

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現物では、A 列と B 列の電機子コイル出力端子が外部に出ているので、A 列と B 列を直列接続して、接続点をアースに接続することにより、対地電圧を低くしていた。

尚、磁極1対あたりの誘起電圧を逆算すれば、p-p で 8.92 Vであり、電機子コイルに流れる電流は最大 580 Aと推算されます。

従って、固定子の磁極外周部に水冷用の銅管や放熱用の送風空間を組み込んだ複雑な構造となっています。

これは、高周波発電機の電気子コイルの抵抗値が、表皮効果のため、商用周波数発電機の2倍程度になり、発熱が多くなるからです。

この構造を、下図に示します。

固定子の構造.jpg

また、電機子コイルを保護するために、固定子の磁極間には、弱磁性の金属を充填して、固定子の内面を滑らかに加工されていますし、回転子へのバランスウェイトの取付も考慮されています。

出力切替SW.jpg

起動時には、SWー1、SWー2、SWー3を投入状態として、電気子コイルを短絡した状態とします。

規程回転数に達したら、SWー3を開放します。

この理由は、回転子の重量が大きいので、電気子反作用を減らすことによって起動トルクを減少するためです。



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初版日時: 2018-05-11 (金) 12:52:27
最終更新: 2018-08-02 (木) 08:19:44 (JST) (19d) by hikoichi