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電波を放射.jpg

17,442ヘルツの電波は「超長波」と呼ばれて、実用される電波の中で最も周波数の低いものです。

周波数が低い電波の伝播特性は、地上に沿って伝わるので、1万キロメートルも離れたヨーロッパ諸国まで届いたのです。

しかし、周波数の低い電波アンテナは、波長の4分の1の長さを必要とするので、「逆L型アンテナ」と呼ばれる形式のものが実用されました。

実際には、建設場所と建設費からの制約で、不十分な設備となってしまいます。

依佐美送信所では、アンテナ素子の不足分をローディングコイルで補うことで同調を実現していました。

アンテナ回路を同調させると、アンテナ素子の電圧波形が安定して(定在波状態)、アンテナ素子と大地間の空間に存在する静電容量(コンデンサー相当分)とのエネルギー交換の効率が良くなり、この交換エネルギーが電波として空間に電磁波を放射します。

このアンテナ素子から放射された電磁波は、次々に押し出されるので、電波発射現象を呈します。

アンテナの指向性に従って、光の速さで目的の方向へ減衰しながら直進拡散して、遠くまで伝搬して行きます。

アンテナ回路への入力電力は、平常時430キロワットで、16本のアンテナ素子に分流する構造であり、強風時の線間接触を防止するために線間の離隔距離を30メートルとしていました。

従って、幅が600メートル、長さが1,500メートルの敷地に展張されていました。

しかも、アンテナの効率を高めるために、アンテナ線の真下には網目状アースを埋設していました。

この形式のアンテナは、給電点方向に指向性を生じるので、給電点をヨーロッパ諸国に向けて設置されていました。

この様に完璧に見えるアンテナ設備でも、輻射効率は30パーセント以下でした。(公開資料では 20 %)

即ち、アンテナ回路へは430キロワットの電力が供給されても、実際の電波出力は約130キロワットであったと推察されます。

筆者注:設計上は最大500キロワットの入力ですが、平常時はやや低めの430キロワットであったとして考察しました。)

 

詳しくは、下記の項目を参照してください。

5-12. ヨーロッパ諸国への送信

5-13. アンテナ線の表皮効果

5-14. アンテナ回路の整合

5-15. アンテナ線の電流分布と電波放射

5-16. 輻射効率の算出

5-17. マルチプル・アースの敷設状態

5-18. アース抵抗値の推察

5-19. アレスターの構造

5-20. 鉄塔の配置状態

5-21. 鉄塔の荷重負担状態

5-22. 基台碍子の荷重分担

5-23. 支線の機能と保守



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初版日時: 2018-05-10 (木) 20:01:30
最終更新: 2018-08-15 (水) 16:21:40 (JST) (5d) by hikoichi