彦市   » 依佐美送信所(改訂5版) » 鉄塔の荷重負担状態

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水平部のアンテナ線16本と吊架線4本の重量を計算すると、概算 12 Ton となります。

これを8基の鉄塔で分担すると、1基あたり P2 = 1.5 Ton の分担となります。

アンテナ線荷重の水平分力は、α 角が小さいほど大きくなります。

 

次に、支線について考察します。

高さ250mの鉄塔1基あたり、42m間隔で6ヶ所に支線が張られており、1ヶ所につき3方向で引っ張っていました。

ワイヤーロープのサイズは、頂部から順に、57 , 53 , 46 , 49 , 40 , 40 mmΦ であり、地上の個定部は、図の如く配置でした。

ロープの強度を 150 kg/mm 2としますと 、ロープの最大許容引張荷重は、それぞれ順に、382, 330, 249, 283 , 188 , 188 tonです。

ここで、常時展張荷重を 10 ton で調整するとして、支線の平均展張角度を30度としますと、

全体では 18 本ですから、展張荷重の合計は、Pt = 10x 18 = 180 ton

鉄塔基部に加算される力は、Pt ' = Pt x cos 30° = 180 x 0.866 = 156 ton となります。

更に、ワイヤーロープの自重を算出すると、( 支線取付高さ m / cos 30° ) x単位重量 kg / m で算出できますので、

頂部から順に、

250 / 0.866 x 11.5 = 3,343 , 208 / 0.866 x 10.1 =2,426 , 166 / 0.866 x 7.60 =1,457 , 124 / 0.866 x 8.30 =1,188 , 82 / 0.866 x 5.75 =548 , 40 / 0.866 x 5.75 =266 kg

となり、3方向の支線の全自重は Pw = 9,228 x 3 = 27,684 = 27 ton

展張状態にある支線は剛体に近いので、鉄塔基部に加算される力は、近似的に、Pw ' = Pw x 0.5 x sin 30° = Pw x 0.25 として算出すると、Pw ' = 27 x 0.25 = 6.75 = 7 ton

従って、支線の展張による荷重は、 P6 = Pt ' + Pw ' = 156 + 7 = 163 ton

4y18.gif

ここで、当時の資料では鉄塔の自重が250Ton となっていますので、

各数値を当てはめると、 P2=1.5 Ton, P0=250 Ton, P6=163 Ton であるので、 基礎部の総荷重は、平常時の無風状態では概算415 Ton となります。

この 415 Ton は無風時の静荷重に相当します。

ここで、特記すべき点は、ピボット支持絶縁支持碍子です。

ピボットにより、鉄塔の台座には静荷重がかかるだけであり、鉄塔の揺れによるモーメントが発生しません。

つまり、鉄塔が傾いたとしても、半円球形の面接触であるので、接触部がスライドすることによって、鉄塔の根元には曲げ応力が発生しません。

構造力学的な観点からして、優れた設計だと思います。

 

次に、台風時の強度が懸念されるますので、動荷重を試算してみます。

支線の取付位置の間隔を平均 42 m として、幅 3 m の鉄塔が区間高さ 42 m 部分で受ける風圧を推算します。

横風に対する鉄塔の投影面積を S とすると、下図に示す如くどの区間でも同じユニットで組み立てられていました。

鉄塔の風圧.jpg

ワイヤーロープAが負担する風圧荷重を計算しますと、ワイヤーロープ1本当り42mを受け持っていますから、これを1ブロックとすると、120度の3方向で分担しています。

しかし、風向きの代表例として、上図左に示す如くA・B・C の各面の合算はユニットAを2倍した値に相当します。

また、1ブロックは15ユニットで構成されています。

従って、ワイヤーロープAの1本が受け持つ風圧面積 S = 3.43 x 15 x 2 = 102.9 m 2

最大想定風圧 w を区間毎に定めて、頂部より、600 、550 、500 、450 、400 、350 kg /m 2 とします。

支線が受ける引張力は、Ws = S w / Sin30° となるので、Ws の値は、頂部より、120 、110 、100 、90 、80 、70 Ton

常時展張荷重の 10 ton を加算して、安全率を求めると、頂部より、382 / 130 = 2.9 、330 / 120 = 2.7 、249 / 110 = 2.2 、283 / 100 = 2.8 、188 / 90 = 2.1 、188 / 80 = 2.3 となって、いずれも安全度2以上を満たしています。

また、台座に加算される垂直荷重は、風圧力を直角に支える支線が最も過酷であり、同方向の6本の支線の引張力の総和にCos30° を掛けた値が相当しますので、

(120 + 110 + 100 + 90 + 80 + 70)x 0.866 = 494 Ton

この 494 Ton が動荷重として、鉄塔の台座に加算されるので、静荷重と合わせて最大荷重は、

415 + 494 = 909 Ton となります。

鉄塔の風圧-2.jpg

上図は、ワイヤーロープBとCで引張荷重を受け持つ場合の強度関係図です。

風圧を受ける面積は変わりありませんが、2本のロープで均等に分担するとして、それぞれが50%を受け持ちます。

しかし、角度が120度に広がっているので、垂直分力に対してCos60°= 0.500 で除する結果、上記で試算したロープAが受け持つ値と同じ引張力となります。

また、鉄塔下部に加算される垂直分力も上記で試算したロープAの場合と同じ値となります。



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初版日時: 2018-05-11 (金) 13:00:12
最終更新: 2018-08-02 (木) 08:27:06 (JST) (19d) by hikoichi