彦市   » 依佐美送信所(改訂5版) » 支線の機能と保守

支線は鉄塔に付帯する重要な部分です。

設計上の強度が満足していても、保守管理を怠ると鉄塔の破壊に繋がります。

鉄塔1基に対して18本の支線がバランスを保って引っ張っています。

もし、支線が切れると座屈現象を生じて湾曲したり、倒壊します。

支線の基礎集合固定部.jpg

支線用碍子ユニット写真.jpg

上図は、支線用碍子ユニットの構造を説明する写真です。

碍子は引張強度が無いので、引留め碍子は圧縮力が加わるような構造で使われます。

最頂部のワイヤーの負担が最も大きく、台風時の最大想定荷重が130トンですから、碍子の強度を350 kg / cm 2 、安全率を2として設計しますと、碍子の受圧面直径は、30 cm となります。

また、ボルトの寸法は、直径が 50 mm である呼称2インチボルトで許容引張荷重75 トン、2本で150トンです。

中間部のワイヤーロープは、負担が少ないので、直径 20 cm の碍子ユニットが用いられました。

そして、3本の支線を集合して固定されました。

この地上近くの固定部には、展張調節用のボルトが設けてありました。

ナットの締め付けは、50 cm の長さのスパナで 30 kg の力を想定すると、ワイヤー方向の推力が約 3 Ton となり、2本では 6 Ton となります。

ワイヤーロープの温度係数を 2 x 10 -3 / °C と仮定すると、

平均気温 20 °C で調整するとして、夏にはワイヤーが 最大 5~6 m も伸びますし、冬には 最大 5~6 m も縮みます。

この為、実際には、夏には 3 Ton 近くまで減少するし、冬には、12 Ton 近くまで増加します。

夏に締付調整すると、冬には 20~24 Ton 近くの引張り力が生じます。

従って、鉄塔の強度計算では、鉄塔に対する引張り力として 一律で 10 Ton で計算しました。

保守作業としては、碍子の破損がないか、ワイヤーの展張状態、鉄塔の垂直度、などを定期点検することでした。

3方向のワイヤーのたるみ(展張力)を同一とし、かつ、上下6本のたるみもバランスよく調整しなければなりません。

季節毎に再調整する必要もありますし、合計 144 本もある支線の保守は、かなりの作業量でした。

また、全数を同じ時期に実施しないとワーヤーロープの引張り力にバラツキが生じます。


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初版日時: 2018-05-11 (金) 14:09:31
最終更新: 2018-05-21 (月) 18:59:51 (JST) (19h) by hikoichi