彦市   » 依佐美送信所(改訂5版) » 周波数弁別回路

「速度検出・制御回路」で概要を記してありますが、ここでは、高精度な回転数制御の心臓部である周波数弁別回路の詳細を記します。

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上図は周波数弁別回路のトーンホイール出力による交流成分の流れる回路を赤線で示しています。

真空管ATと真空管BTとに2分されています。

高周波発電機の回転数が設定値からずれると、2本の真空管のプレート電圧に差を生じます。

そして、RR1リレーを動作させます。

トーンモーター出力で、基準値 2040 Hz に対して0.5 Hz 以上のずれを生じるとRR1リレーが動作する程度に感度設計されていました。

周波数のずれを検出する同調コイル部分が重要であり、下図の如く重ね巻きによって結合を密にして高精度を実現していたものと推察します。

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上図は周波数弁別回路の作動原理です。

T1-2 に於ける E1-L コイルは逆接続となっています。

そして、E1-L のリアクタンスと E1-R の抵抗値が等しくなるように設計されているとすれば、抵抗 E1-R との並列回路の合成電圧が左図の E1 となります。

また、B ループの同調回路は損失が僅かであり、鋭い同調特性を持っています。

従って、周波数がずれると、この B ループのコイル T3 による位相差が大きく影響します。

つまり、信号電圧として真空管入力となる交流成分の絶対値が変化します。

低速度では真空管 AT の入力が高く、過速度では真空管 BT の入力が高くなります。

この結果、 1,000 倍ほどに増幅されたプレート電流の違いを生じます。

低速度では、 AT のプレート電流が多くなり電圧降下が多いので、 Pb から Pa に向けて電流が流れて RR1 リレーが正方向に動作します。

過速度では、 BT のプレート電流が多くなり電圧降下が多いので、 Pa から Pb に向けて電流が流れて RR1 リレーが逆方向に動作します。

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尚、弁別回路の出力 A と B の絶対値の変化は上図の如くなります。

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上図は、タンク回路の同調用コンデンサー部分を詳細説明する為に、コンデンサの組み合わせ例を推察したものです。

設計値のコンデンサー容量を Ct μFとすると、上図の割合に分割配置すれば、  

合成容量 Ct = C0 + Cx + ( C1 , C2 , C3 の組み合わせ)となり、50 % 以上の値を調整できます。

 

運転時の設定変更方法

 

1。高周波発電機の周波数を変更する操作

周波数弁別回路の A ループの同調周波数を変更します。

コイル L を減らせば、トーンモーターの同調周波数 fo が上昇し、増やせば下降します。

また、周波数弁別回路の B ループの同調周波数も変更します。

コンデンサ Co を増やせば、弁別回路の基準周波数が上昇し、減らせば下降します。

弁別回路 B ループには抵抗が無いので Q 値が大きくコイルの電圧が大きな値となりますが、弁別回路 A ループでは抵抗 R により Q 値が小さくコイルの電圧が小さな値となります。

 

2。速度自動制御が制御不良となった場合の操作

位相弁別回路の出力で動作する直流発電機用励磁機の摺動抵抗器は、抵抗値が上限または下限に達すると、リミットスイッチが働いて制御限界になります。

この様になる場合は、直流発電機の励磁電流調整用の Rc3 抵抗器の設定を変更します。

・低速度状態の場合

Rc3 の抵抗値を減らして、直流発電機に追加する励磁電流を増やします。

 

・過速度状態の場合

Rc3 の抵抗値を増やして、直流発電機に追加する励磁電流を減らします。



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初版日時: 2018-05-11 (金) 12:51:32
最終更新: 2018-08-02 (木) 08:18:35 (JST) (19d) by hikoichi