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ワードレオナード方式の制御方式は、負荷変動条件により異なります。

依佐美送信所は、瞬時の負荷変動が大きくて、短時間に同じ変化が繰り返えされます。

そこで、独自の制御方式が採用されていました。

それは、直流発電機の励磁回路を2段階方式で制御するものです。

具体的には、先ずキーイング操作に連動して直流発電機の励磁回路の抵抗器を切替えて励磁電流を制御します。

次に、高周波発電機の回転数を検出して、設定回転数とのずれが生じたら、自動的に直流発電機の励磁機自体の励磁電流を自動可変抵抗器によって制御することで、励磁機の出力電圧を変動させます。

これは受電電圧や周波数の変動(外乱)に対処するためです。

ワードレオナード方式以前の方法では、設定回転数に対する変動幅は 0.1% 程度の精度でしたが、この新方式では 0.02%(1万分の2 )の精度で制御できました。

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上図は、ワードレオナード方式の機器構成と制御を示します。

主直流発電機(DC-G) の励磁電流を制御することによって、直流発電機の出力電圧と電流が変化します。

その直流電力で直流電動機を運転して、高周波発電機を駆動しています。

高周波発電機(HF-G)の出力変動(45%~100%)に即応して回転数を厳格に維持するためには、主直流電動機(DC-M) の電圧と電流を変化させて必要なパワーを常にバランスさせなければなりません。

そこで、主直流発電機(DC-G)で、必要な電圧と電流を供給するために自動制御しています。

負荷変動に対しては下図の如く励磁電流で対応し、受電電源の変動に対しては下図の如く摺動抵抗器によって励磁機の出力電圧を変化させて対応します。

 

直流発電機の励磁電流を段階的に増減する方法

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上図に記入した抵抗値は、運転実績による設定値です。

運転状態と対比すると、下表の如くなります。

 
運転区分負荷状況合成抵抗値励磁電流値
無負荷時(キーオン)46 Ω9.5 A
信号入力時(キーオフ)13 Ω33.5 A
低速度リレー動作時10.5 Ω42 A
手動テスト時46 Ω9.5 A

 

励磁機の励磁電圧を連続的に増減する方法

 

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主直流発電機用の励磁機出力電圧を変化させる自動制御回路です。

受電電源に変動が生じても、常に高周波発電機の回転数を一定に保つ必要があります。

これは、負荷変動とは違って外乱要素です。

そこで、直流発電機の励磁回路全体の電流値特性をスライドさせるために励磁機自体の出力電圧を制御します。

 

先に励磁電流を制御する抵抗器の切り替えを説明しましたが、ここでは、高周波発電機からのフィードバックによる自動制御出力で発電機用励磁機の出力電圧を変化させて、直流発電機の励磁電流特性曲線をスライドさせることで、正確な速度調節を実現します。

1.RR2 から回転数低下信号が入ると、OR1 が動作して正・逆切り替え器の OR1 接点を引っ張り下げる。

OR2 はスプリングで戻る)

2.RR2 から回転数上昇信号が入ると、OR2 が動作して 正・逆切り替え器の OR2接点を引っ張り下げる。

OR1 はスプリングで戻る)

3.そして、駆動モーターが動作して、駆動ギアーを介して、摺動抵抗器の Rs 値を変化させる。

4.設定回転数に制御されると、RR1 リレー動作が復帰して、接点が中間の位置になり、OR1OR2 は働かないので、駆動モーターは停止する。

5.Rs 値が限界近くに達すると、スリップ・リング部の短絡回路が開放されて、駆動モーターが停止する。

6. 送信が終了すると、LR1 からの信号が無くなるので、OR3 が開放されて駆動モーターが停止する。

 

制御回路全般

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上図は、信号入力から始まって、周波数の安定を図る為の直流発電機の制御全般を説明するリレー動作関連図です。

1.信号入力があると、SR リレー動作で LR1KR1 を動作させます。

2.LR1 は、制御電源B系統のパワーリレー LR2LR3 を同時に動作させます。

ここで、同じリレーが2個使われているのは、50 % 出力運転を考慮した為です。

3.また、LR1 の出力は、直流発電機の励磁電圧を調節する速度検出・処理回路へ送られています。

4.KR1 の出力は、パワーリレー KR2 を介して信号注入回路へ送られています。

5.LR2 LR3 の出力は、直流発電機の励磁電流制御回路へ送られています。

6.回転数が設定値との間にずれを生じると、RR1 が動作して、RR3 を介して直流発電機の励磁電流制御回路へ送られています。

また、過速度か低速度かの情報を、RR2 を介して速度検出・処理回路へ送られています。

7.SW は、信号入力切り替え器であり、ローカル・テスト回路として、手動テスト時に励磁電流制御回路へ送られています。

そして、送信信号の手動入力キー Key によって送信テストが出来ます。

ここで使われていた出力リレー ( LR2,LR3,RR3,KR2 ) は 440 V 50 A の高速度繰り返し動作に耐えるように、特別に製作された大型のものでした。

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下記の項目をクリックすると関連説明があります。

5-3.速度検出・制御回路

5-4.周波数弁別回路




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初版日時: 2018-02-01 (木) 18:53:19
最終更新: 2018-02-15 (木) 15:35:23 (JST) (6d) by hikoichi