彦市   » 二宮尊徳 » おわりに

道徳教育に関して、私(管理人)の個人的な見解及び日本の現状について、私の知る限りを以下に記します。

日本では道徳教育と言えば復古思考とされますが、今後の日本社会では高齢化対策が負担となって、経済面で大変革を求められるでしょう。

人工知能やロボットの活用で対応出来るとする希望的観測もありますが、人間が動物である事実から逃避できません。

自然環境からの制約で、技術革新万能では解決できません。

それは、人類の驕りであり、動物界でのルール違反です。

地球は、大古から動物や植物との生存共同体であり、循環してこそ成り立つのです。

そこで、国民が平和で安心して生活出来る共同社会の実現には、江戸時代の良い点を再認識することも大切だと思います。

節約生活を重んじて弱者救済する国民的な思考転換が必要ではないでしょうか。

二宮尊徳の功績は、農業社会での収穫率向上の諸政策の進言と村社会を中心とした貧者救済の共同社会の実現を指導した事です。

農民に対しては勤労奨励と倹約思想を、指導者層に対しては弱者救済を実行すると報徳(高い社会評価)を受ける分度の思想を普及しました。

「道徳」とは、円満な共同社会の実現に必要とする徳を積む方法であり、徳を積んだ人は社会貢献者として周囲から尊敬を受ける社会システムの確立を目指すものです。

当時は、学校の先生、僧侶、医者、庄屋、村長などが聖職者として尊敬されていました。

そして、国家が発展途上にあったので、愛国心の高揚による民族の団結力も強まっていました。

国家指導者の舵取りに過ちがあって、太平洋戦争となりましたが、道徳教育が弊害要因ではありません。

本来の「道徳教育」は共同社会での助け合い思想と正しい生き方を教えることです。

戦後の民主主義は付け焼刃の如くであり、本質が理解されぬ状態での履行は困難であるので、ややもするとエゴイズムが強まって弱肉強食の社会となりがちです。

ですから、「真の民主主義教育」と併せて「真の道徳教育」が必要ではないでしょうか。

当時の「道徳会」に類似する社会団体としては、現在では「ロータリークラブ」があります。

しかし、活動内容は、中小企業の経営者を主体とした社交団体であります。

また、社会教育団体の「公益財団法人モラロジー研究所」があります。

モラロジー(道徳科学)とは、昭和3年に、廣池千九郎博士が「道徳科学の論文」を発表されて、道徳教育の重要性を提唱されたものです。

この論文は、世界の5大宗教の共通事項から、人の生きる道(モラル)を組み立てた内容です。

従って、宗教的要素があるので、宗教団体と間違えられますが、あくまでも社会活動の要素教育を目的とした普及活動です。

千葉県柏市に本部があり、関連団体に「学校法人廣池学園」があり、道徳教育を取り入れた「麗澤大学」ほか、幼稚園から、小学、中学、高校までの一貫教育を実施されています。

また、全国各地で、社会人を対象とした道徳教育も実施されています。

更には、「一般社団法人日本道経会」があります。

平成11年の設立であり、モラロジー研究所の関連団体です。

道徳経済一体」を理念として、産業人教育の推進を目的として、企業倫理の向上と社会に貢献できる人材育成を目指しています。

戦前の「道徳会」の現代版ですが、「分度として、所得の25%を寄進」については除外しています。

これは、現在の税制で代替しているからでしょう。

また、社会貢献を重視した「三方善し」(自分、相手、第三者の利益を配慮)の考え方で、企業の活動基準を「企業、消費者、同業者や監督機関等の第三者」を常に意識すれば繁栄と永続を可能にするとしています。

正に、当時の道徳会の思想と類似しています。


トップ   差分 バックアップ リロード印刷に適した表示   全ページ一覧 単語検索 最新ページの一覧   ヘルプ   最新ページのRSS 1.0 最新ページのRSS 2.0 最新ページのRSS Atom Powered by xpWiki
Counter: 6, today: 1, yesterday: 0
初版日時: 2017-11-20 (月) 15:33:51
最終更新: 2018-04-13 (金) 18:49:04 (JST) (18d) by hikoichi